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「この会社でなければいけない理由」を求めていませんか?

「この会社でなければいけない理由」を求めていませんか?

学生への指導をする際に困ってしまうものの一つが「志望動機」です。
実際の指導手法に関しては様々なものがありますが、キャリア支援課職員の方や外部のキャリアカウンセラーの方々の中に、時折「この会社でなければいけない理由は何なの?」と学生に詰問している方がいたりします。
しかし、このやり方で志望動機の指導をしていくと、目の前の学生を精神的に追い詰めていくだけでなく、別の会社の志望動機を考える際の弊害になってしまいますので避けるほうが賢明です。

今回は、なぜ「この会社でなければいけない理由」を求めてはいけないのか?じゃあどうすればいいのか?について解説をしていきます。

心惹かれる会社が複数あるのは当たり前

 就活生は合説や就職ナビなどで大量の企業情報をチェックしていますので、心惹かれる企業が複数出てくるのが当然の心理です。にも関わらず「この会社でなければいけない理由」を求めていくのは、目の前の学生に対して「他の選択肢を捨てなさい」「他にも惹かれている企業があるのはおかしい」という圧迫的かつ誤ったメッセージを伝えることと同じになってしまいます。これでは学生との信頼関係を構築・維持していくことが困難になってしまいますので、得策ではありません。

 また、そもそも採用側であっても、思いつめたレベルで自社を志望している学生というのはあまり歓迎できない存在です。
 学生一人一人にとって心惹かれる企業が複数出てくるのが当然の心理だというのは企業側も当然にわかっていますので、逆に「御社でなきゃダメなんです!」と言われてもかえって困惑してしまいます。
 さらに言うと、仮に採用したとしても(本人が勝手に作り上げた)イメージと実際の内情にギャップがあると早期退職に繋がったり内部での不満分子に変わっていったりする可能性がありますので、正直採用するのは怖いという思いになり、二の足を踏むという結果になります。

面接でつじつまを合わせるのが不可能になる

もし面接で志望動機を求められた際に、「○○という理由により、御社でなければイヤなんです」という回答をしたと仮定しましょう。
これに対する面接官のツッコミとしては、以下の2つが考えられます。

(1)他に応募しているとこはどこ?
(2)もしウチが不採用にしたらどうするつもりなの?

まず(1)ですが、このツッコミに対してどこかの企業名を挙げた瞬間、先の志望動機の発言がウソだと確定しますので、かなりの確率で不採用決定です。他にどこも応募していないという回答をしたとしても、「リスクヘッジ思考が皆無の危ない人」ということになりますので、こちらも不採用が濃厚でしょう。

次に(2)ですが、「その時になったら考えます」ではやはりリスクヘッジ思考皆無で行き当たりばったりということになるので不採用濃厚です。「他の会社を応募します」であれば、さっきの話とちゃうやん!ということになります。「来年また応募します」と答えても、常識的に言って企業が一旦不採用評価をした人間を翌年採用することはまずありません。(一年間で劇的な成長をしない限りは)
結局どう答えても浮上の見込みはありえません。

求めるべきは「この会社が一番いい理由」

 では、学生の志望動機をどのように深めていってやれば良いかというと、「この会社が一番良いと思う理由は何なの?」です。
 ”一番良い理由”を聞くということは、二番目・三番目など複数の企業に惹かれているであろう(その中で悩んでいるであろう)ことをわかってるからね」というメッセージを伝えることに他なりません。これにより、学生の心のハードルを下げ、本音を引き出しやすくなるという利点があります。

 また、企業の立場からしてみても、自社が一番であるということさえ納得できれば、仮にその学生が他の企業から内定を取っていたとしても、自社が内定を出せば辞退されずに入社まで進んでくれると思えるようになります。そのため、志望度を理由に不採用判断をすることはなくなるでしょう。しかも、他の応募先が自社への志望理由とある程度合致するものであるなら、それが逆に自社への志望度を担保する材料にもなります。
 結果として、企業からの評価が高まります。

 このように、志望動機に”オンリーワン”を求めてしまうことは、学生にとっても企業にとっても困ってしまう話になりますので、”ナンバーワン”である理由を一緒に探っていってあげてください。

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