先月下旬、株式会社第一生命経済研究所が「仕事をするうえでのコミュニケーション能力」というテーマのレポートをリリースしました。(文末リンクをご参照ください)
内容をごくごくかいつまんで言うと、「仕事をするうえでのコミュニケーション能力」を15種類に分類し、実際の社会人がその中の何を重要視し自己評価がどれほどなのかを、アンケート結果を元にまとめたというものです。
詳細は文末のリンク先をご参照頂きたいのですが、学生への就職指導を進めるうえで、この「コミュニケーション能力」という言葉は非常にやっかいなものです。
経団連による調査をはじめとして、新卒学生に求められる能力は一にも二にもコミュニケーション能力であるとキャリア指導の中では語られていますが、じゃあそのコミュニケーション能力とは一体何なんだ?というと、人によってその定義やポイントは様々でハッキリしない部分があります。
ただ少なくとも断言できることは、学生コミュニティの中で評価されるコミュニケーション能力と、仕事の中で評価されるコミュニケーション能力は、ほぼ別物だということです。
一般的に学生コミュニティの内部で評価されるコミュニケーション能力とは、(コミュニケーションの相手が同じ学生だという前提で)「流暢にしゃべる」「ノリがいい」「その場に合わせて面白いことが言える」「少ない言葉で通じ合える」などが挙げられます。
しかし、仕事の中で求められるコミュニケーション能力とは、「誰が相手であろうが(たとえ嫌いな人間相手であろうが)それなりにフレンドリーに意思疎通を図る」能力であり、学生同士で評価される能力とはほぼ正反対の内容です。さらに言えばこの「それなりにフレンドリーに意思疎通を図る」ために必要な具体的能力が多岐にわたるとおうことが、学生への指導をより一層難しくしているといえます。
その観点から見ると、当レポートで示されているコミュニケーション能力の15個の分類は非常によくできていて、学生指導の際にこのまま取り入れて自己評価をさせていってもいいレベルのものだと思います。
著作権の問題など気をつけるべき点はあるにせよ、ぜひ活用をご検討ください。
株式会社第一生命経済研究所
https://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/index.html
レポートファイル(PDF)
https://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/ldi/2015/rp1507c.pdf
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