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彼氏(彼女)を追っていく学生への就職支援のポイント

彼氏(彼女)を追っていく学生への就職支援のポイント

決して数は多くありませんが、就活生の中には、彼氏(彼女)を追いかけて縁もゆかりもない場所への就職をしようとする人もいます。
もちろん恋愛や結婚というのは人生における重要な要素ですので、それを否定することはできませんが、企業側からすると仕事のことが二の次三の次でしかない応募者は困りものです。
また、就職支援をする側としても、恋愛や結婚は二の次にしろとは絶対に言えませんが、さりとてどう就職支援をすればいいかが悩ましいところです。

今回はそのようなケースについて考えてみたいと思います。

ケース設定(フィクションです)

●農学部4年生の女性
●出身は東京都だが、北海道にある大学で一人暮らし
●大学2年の時から1つ上の先輩男性と付き合っているが、彼はすでに地元である福井県の企業に就職しており、現在は遠距離恋愛中
●彼とは将来的には結婚をしようと話しているが、彼女自身は福井県とは縁もゆかりもない
●彼女は福井県の企業に絞って就職活動を行っているが、うまくいっていない
●どのようなアピールをすれば内定がもらえるか相談に来た

対応法

このようなケースにおいては、本人の意向もさることながら、まず何よりも企業側の気持ちを想定することから始める必要があります。

私が採用担当者だった場合、まず率直に、
(1)縁もゆかりもない県にきて就職しようと本気で思っているのか?
(2)本気だとしても、何か人に言えない裏事情があるんじゃないか?
という不安を抱きます。

採用側のこの不安を払拭するためには、「専攻内容との関連性で御社を志望した」というだけでは全く足りません。一般的に、専攻内容と関連のある企業は世の中にゴマンとありますので、この説明だけでは(2)の不安を全く払拭できないからです。
そこで、専攻内容云々という話に加え、「結婚を考えている彼が福井にいるので」という話を合わせてしてしまうことが肝要です。
これなら、(2)の不安も払拭させられます。

しかし、こうすると採用担当者は以下のような新たな懸念点を頭に浮かべます。
(3)入社後、転勤を受け入れてもらえない可能性が大
(4)もし彼のほうが転勤となった場合に退職されてしまうリスク
(5)もし結婚に至らずに別れた場合、そもそも福井にいる理由がなくなり、退職されてしまう可能性が高い

これらは本人(+彼氏)の実情によっても変わりますので一概なことは言えませんが、もし彼氏が転勤のない職業であれば、同じく転勤のない企業に絞って応募をしていけば(3)(4)の懸念は払拭できます。
また、(5)については、「結婚を前提に付き合っている」だけでは、正直言って採用担当者としては不安を消せません。恋人同士が別れるということは日常茶飯事ですし、ましてや社会人になりたての時期は人生における重要度が大きく変動する時期でもありますので。
そのため、もしできるならば「来年○月に結婚する予定でいる」と、結婚が完全に既定事項だと言い張りたいところです。婚約状態から(あるいは入籍後であっても)別れる可能性はもちろんなくなりませんが、少なくとも単に「お付き合いしている」状態よりは別れる可能性は低くなりますので、その分(5)の不安を払拭させられます。

逆に言えば、今回のケースで福井への就職を実現するには、上記のような条件をクリアできないと正直難しいということでもあります。
どうしてもという場合は、「専攻を活かせる仕事」「正社員」などのような様々な条件の中のいくつかを妥協してもらわなければいけないでしょう。
支援する側としては心苦しいですが、「現実」というものを認識してもらい、親身なキャリアカウンセリングを通して決断を促していくことが求められます。

 

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