世の中の企業では、すでにクールビスが一般的と言えるレベルにまで普及してきており、もはやクールビズを導入していない企業のほうが圧倒的に少数派と言える状況です。
まあ、日本のような高温多湿の地域でスーツにネクタイというのは、普通に考えて不合理な服装ですから、個人的には大変ありがたいと思っています。
にも関わらず、「面接にクールビスで行ってもいいんでしょうか?」就活生からの相談は絶えません。
今回はこのクールビスについて考えてみたいと思います。
企業から「クールビズで」と明言されている場合
この場合はあまり悩む必要はありません。
クールビスで来てくれと言われている以上、クールビスで行けばいいというだけです。
ただ、相談を受けた場合、本人の考えるクールビズのレベルを確認することは重要です。
企業側も、いくら「クールビズで」と言ったからといって、チノパンにアロハシャツで来られてしまうとさすがに唖然としてしまいます。最低限のドレスコードとして、黒紺系のスラックス(またはスカート、パンツ)に、白系のボタンダウンシャツ(またはブラウス)、中に切る下着は白系の無地、というところは押さえさせたほうが良いと思います。
ちなみに、半袖か長袖かについては、お好みで良いでしょう。筆者の個人的な好みは長袖ですけれども。
企業側から服装の言及が無い場合
困るのはこのケースですね。
最終的な正解は「企業による」としか言いようがありませんので、事前の企業文化や風土の下調べが必要になります。
ポイントは、
●形式にこだわりを持つ企業文化・風土か否か?
●無難を良しとする企業文化・風土か、実利追及を良しとする企業文化・風土か?
という2点です。
各々、前者であれば暑いのを我慢してでもネクタイ・上着着用を推奨することになりますし、後者であればクールビスを推奨することになります。
あるいはその中間として、ネクタイはするけど上着は省く、などのパターンもあります。
筆者自身の経験で言うと、たった一つのクレームが事業の根幹を揺るがしかねないような業務を行っている企業は、先のポイントでいう前者に当たることが多いです。
例えば、国や自治体の入札案件がメインになっている会社の場合、100のプラスを積み重ねるよりも1のマイナスを出さないことが優先される傾向が強く、クールビズで面接に向かうと致命傷になる恐れがあります。
逆に、公共案件に関わっていない B to B 企業では、実利の積み上げにこそ意味があるという考え方が多いですので、クールビズで面接に向かっても特段問題はないと考えられます。
ただ、本当の正解はやはりその企業の人事や面接官にしかわかりませんので、最終的にはクールビズで行った場合のメリット・デメリットを理解してもらったうえで個々の就活生の決断に委ねる、というのがキャリア支援課職員の対応としては適切だと思います。
ぜひ応募企業についての話をじっくり引き出しながら、上記のポイントから説明をしてあげてください。
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