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選考前倒しと選考日時の”配慮”による、支援内容の変化

選考前倒しと選考日時の”配慮”による、支援内容の変化

 12月7日付けのプレスリリースにて、経団連が2017年卒学生への採用選考開始時期を、現状の8月から6月に前倒しすることを発表しました。
 ただし、同時に、広報活動の開始時期は現状通り3月のままとなっています。
 さらに、学事日程への”配慮”も明確に発表をされています。

 今回は、これらの変更・不変更が、キャリア支援課職員による学生支援内容にどのような変化をもたらすかの考察をしてみます。

要は単純に活動期間が圧縮されたということ

 単純に考えてみると、広報活動の開始時期は3月のままで採用選考の開始が8月から6月になったということですので、ただ単に期間が圧縮されただけということがわかります。
 しかも、もともと「採用選考の開始」というのは事実上「最終選考の開始」「内々定出し」を意味していましたから、当然のごとくそれよりも前に一次選考や二次選考が進んでいくわけです。
 ということは、今回の変更というのは、”広報活動の開始~一次選考の開始までの期間が2ヶ月間圧縮された”という意味合いになりますね。仮に3,4月を広報に専念して5月から一次選考開始をしている企業があったとすると、今年5,6,7月の3ヶ月間で行っていた一次選考から最終選考直前までを、5月の1ヶ月間だけで行わなければいけません。単純計算で1/3に圧縮されることになります。

 加えて、学事日程への”配慮”という名のもとに、平日日中の選考が少なくなり、土日に集中することが予想されます。(平日夜間に行うというのは、あまり現実的ではないので)
 これも単純に計算するなら、従来は週7日実施可だった選考を週2日しか実施できないわけですので、2/7に圧縮されることになります。

 これを先の期間圧縮分1/3と合わせて考えると、1/3 × 2/7 = 2/21 = 約1/10 となりますので、極めて単純に考えると、一次選考~最終選考直前にかけられる時間が1/10に圧縮されるという計算になりますね。
 もちろん、現実はこんな単純な結果にはなりませんが、あくまで単純に計算するとこうなるというお話です。

期間圧縮がもたらすもの

 ではこの期間の圧縮が何をもたらすのでしょうか?
 これも話は単純で、企業側の選考内容・プロセスが変わらないという前提であるなら、一日あたりの過密度合いが10倍になります。
 さらに結果として、学生個々にとってのダブルブッキングやトリプルブッキングの可能性が高くなっていきます。

 そして、そのようなことになるのは企業側は当然予測できますので、もし選考の案内(それも土日の日中に実施予定のもの)をして、学生がむにゃむにゃと日時変更を申し出てきた場合、それは取りも直さず「自社が第一志望ではない(=仮に内定を出したところで辞退される可能性が高い)」と判断することになります。そう判断されてしまったら、仮に日時変更を認めてもらい面接で「御社第一志望です」といったところで、もはや話をまともには受け取ってもらえないでしょう。
 つまり、ダブルブッキングやトリプルブッキングが生じた際に日時変更を申し出るという行為は、イコールその企業に対してサヨナラをすることとほぼ同じ効果をもたらすわけです。企業にとっても厳しい状況ですが、学生にとっても非常に厳しい状況ですね。

どのような支援をすべきか

 それでは、上記のような状況があり得る中で、キャリア支援課としては学生にどのような支援をしていくべきでしょうか?

 特に強化していく必要があるのは、2点です。
 一点目は、自己分析、それも一人一人が就職に対して求めている条件と優先順位の明確化です。
 二点目は、一点目で明確にした優先順位に基づいた、複数の企業に対する志望順位の明確化です。

 企業から学生への選考の案内は、電話で行われる割合が高くなると思われます。(期間圧縮によって返答待ち時間を確保しづらくなるため)
 そのため、電話を受けた学生にとっては、仮にダブルブッキングが生じた場合、むにゃむにゃとお茶を濁して判断を先送りしようとする態度を示してしまうと先に述べたように非常にマイナスになりますので、どちらの企業を優先するかその場での即断が求められることになります。

 しかし、いくら即断が必要だといっても、日頃から優先順位を考えていない状態でいきなりどちらかをすぐに選べと言っても難しい話です。また、何も指示をされていない状況で日頃から優先順位を考えている学生というのは相当に少数派だと思います。

 そこでキャリア支援課職員の方の出番がやってきます。
 もしもダブルブッキングになる電話がかかってきた時に企業に即答できるよう、事前に準備を促していきます。具体的には先に挙げた二点を進めておくよう指示を出していきます。自分ではうまく考えられないという学生がいれば、キャリアカウンセリング技術を駆使して二点の明確化をサポートしていくことも必要ですね。

 ぜひ直近の学内就職ガイダンスでは、このような中身に触れてあげてみてください。
 楽観視している学生に少しでも危機感やリアリティを持たせられるかもしれません。

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