キャリア支援課職員の方が就活生から質問をされる場合、かなりの割合で「○○したほうがいいですか?」という形式になっているかと思います。
例1;東京で行われる合同説明会にも行ったほうがいいでしょうか?
例2;△△業界を志望する場合、■■社も応募したほうが良いでしょうか?
例3;○○を用意しておいたほうが良いでしょうか?
などなど、非常によくあるパターンです。
今回はこの「○○したほうがいいですか?」という質問に対してどう回答するかを考えてみたいと思います。
回答その1;好きにしろ
さすがに本当に言うときにはもっとマイルドな表現に変えますが(笑)、実際問題この手の質問に対しては「好きにしろ」とか「自分で考えろ」と言いたくなるのがキャリア支援課職員の方の本音かと思います。
ただ、さすがにそれを言っちゃあおしまいよ状態ですので、現実には言えませんね。
ということで、次の案を考えてみます。
回答その2;よいと思うよ or しなくてよいと思うよ
質問に対してまっすぐ回答するやり方です。キャリア支援課職員としてまだ新人レベルの方については、ひとまずこの回答の仕方をすることを推奨します。就活生からの質問をまっすぐ受け止めてまっすぐ返すわけですから、ダメなやり方であるはずがありません。
ただし、まっすぐ返す以上は、なぜよいと思うのか or しなくてよいと思うのか、という理由と合わせてしっかりと説明する必要があります。理由が無しで結論だけ返してしまっては、「好きにしろ」とか「バカなこと言ってんじゃないよ」という返しをしたことと同じニュアンスになってしまいますのでお気をつけください。
回答その3;どうして○○したほうがいいと思ったの?
ある程度経験年数を積んだキャリア支援課職員の方であれば、この返しが最も有効です。
そもそも「○○したほうがいいですか?」という質問が出てくる場合、「(○○したほうがいいとはわかってるけど、)面倒くさいなあ」「お金がもったいないなあ」という、労力や金銭を出し惜しみしたい気持ちが背景に存在します。でも、「○○したほうがいい」ということ自体はわかっているわけで、それでもあえて質問をしてくるというのは、出し惜しみしたい気持ちを断ち切り背中を押してもらいたいというケースが非常に多いと言えます。
そのため、ただ単に「○○する」という行為そのものに対してOKを出してやるだけでなく、「○○したほうがいいと思っている気持ち」に対してOKを出してあげたほうが、より一層就活生のモチベーションを高めることに繋がります。
そこで、いきなりYES or NOの回答をするのではなく、「どうして○○したほうがいいと思ったの?」と問いかけてやり、就活生が出してきた気持ちに対して肯定的なコメントをつけて返してあげましょう。
これでその就活生は心底自信を持って○○をしていけるはずです。
回答その4;しないよりはしたほうがいいとしか言えない
ややキツめの回答ですが、私自身は自分の講座やセミナーの中では常にこれを宣言します。
一見冷たい表現に思われるかもしれませんが、キャリア支援を生業にしていくにあたって、一人ひとりの学生に将来に渡ってアドバイスをし続けるということは不可能ですので、どこかで“自分で考えて判断する”というクセをつけてもらわないと、本人のためにもなりません。
そこで、私の場合はまずこれを宣言し、しっかりした回答が欲しい場合は、漠然と「○○したほうがいいですか?」ではなく、「これこれこういう理由で○○をしたほうが良いと思うのですが、どうでしょうか?」というように、質問する前にまず自分でしっかりものを考えてくるようにというメッセージを伝えます。
思考作業を他者に丸投げしてくるのではなく、まず自分で行ってから他者にアドバイスを求めるという、就職後に必須となる行動パターンを就活段階から身につけさせていくことが本当の意味のキャリア支援だと考えます。
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