筆者が就活生向けの講座で常々強調していることの一つに、「採用側の肚の中を知ったうえで自分の立ち回りを考えましょう」というものがあります。
これはキャリア支援課職員の方々にもまったく同じよう当てはまります。
例えば、あるES文章の添削をする際、基本線としては「結論から書かれているか?」「具体性のあるエピソードになっているか?」という客観的な判断基準で評価をしていくことになりますが、究極的には常に「採用担当者が読んだ時にどう判断するか?」がポイントです。
したがって、客観基準を持つこと自体は構わないのですが、それを金科玉条のごとくしてしまってはNGで、常に採用担当者目線・面接官目線で考えることが必要で、時には客観基準を超えた評価や指導が求められることになります。
では、採用担当者目線・面接官目線で考える場合、何を念頭に置かなければいけないのでしょうか?
基本は性悪説
採用担当や面接官は、その業務特性として常に性悪説に立って物事を考えます。
具体的には、「学生は嘘八百並べてくるものだから騙されないようしなければいけない」という、被害妄想に近いレベルでものを考えます。例えば、学生が志望動機を言ったとしても、まずは「そうは言ってるけどホントか?」と発想します。だからこそ面接の際は、最初に語られた話が真実か否かを確認していくために、根掘り葉掘り質問をしていくことになるわけですね。
逆に言えば、真実であると思えたならば、無理にツッコミを続けて貴重な時間を消費する必要はないと判断し、次の設問に移っていきます。
このことはエントリーシート添削をする際にも同じ話で、たとえ形式として結論の表現が若干おかしかろうが、エピソードが甘かろうが、全体の印象として真実味の感じられるのであれば、無理に文章を修正しなくても特に問題はないということです。そのような場合は、むしろ書類選考から先のことを見据えたアドバイスや支援に切り替えていけばそれで十分です。
尚、世の中の採用担当者・面接官の方々の名誉のために申し上げておきますと、少なくとも私が直接お付き合いをさせて頂いたことのある採用担当者・面接官のうち、一個人としても性悪説の則って常に人を疑っているという方はほとんどおりません。むしろ“人間”というものに対する愛情に溢れた方がほとんどです、
しかし、採用担当・面接官を職業として行う場合は、企業防衛のために性悪説に立たざるを得ない現実があるということです。くれぐれも誤解の無いようによろしくお願いします。
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